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2000  Vol. 23


インプレッサスポーツミーティング in ツインリンクもてぎ

 

得意のサーキットのはずが・・・

 

一発勝負の予選でスピン、決勝ではマシントラブル、と西尾はいいところナシ

 

レポート:インプレッサファン山口顕子

 3年目を迎えたインプレッサミーティングが、今年は初めて2回開催となった。しかもその2回目はサーキット、ということで、サーキットを大得意とする西尾は、「ポールトゥフィニッシュでオレが優勝や」と自信満々でいた。サーキット走行が得意といっても、四輪レースのかけひきは経験がないので、予選1位でポールポジションを取り、スタート後は後続車をブロックしつつそのまま逃げ切るという作戦だ。いっぽうの北村は、サーキットを走ったことがないので、「どうせ速くは走れんから、なんか他のことでアピールせんと」と、秘策を練っているようだった。

 12月9日の早暁にクルマで大阪を出発し、午後3時前に宇都宮に着いた。イベント当日は寒いだろうと予想していたのに、ぽかぽかと異常に暖かい。「これではタイヤがもたん」と、優勝を狙う西尾は天候に不満をもらす。勝負を意識していない北村は、どーでもよさそう。しかし寒波と低気圧が近づき、翌10日は予想外に寒くなった。

 開催場所の「ツインリンクもてぎ」に着いたのは朝7時半ごろ。しかしすでに、ゲートの手前数百メートルにわたってクルマの列ができていた。ランサーやミラージュなど、インプレッサ以外の車種も多い。この調子では、今日はいったいどれくらいの人が来るのだろう、と東京周辺の人の多さにあらためてびっくりする。

 自動計測用の発信機を各車につけ、練習走行が始まった。9時までの30分の走行の結果が電光掲示板に表示される。しかし誰が何番なのか公表していないので、西尾が3位、北村が6位ということしかわからない。練習走行から戻ってきた西尾が、「アカン、やっぱりレースのクルマは速いわ。これはマズイ」といつもの「おっちょこちょいの顔」でヨダレをたらしそうになりながら言う。北村はまったく順位には頓着していない様子だ。

 一般出場者がジムカーナをしている間にドライバーズブリーフィングが終わり、10時30分から予選が始まった。これは普通のレースの予選とちがって1台ずつ1周だけ走る。出走順は前夜のパーティーの最後に抽選で決めた。先頭走者は菱井で、41秒5xx(細かい数字は覚えてない)。このタイムは結局最後まで破られることはなかった。西尾は12番目の出走だったが、それまでずっと菱井と西原が上位2台で、レース屋さんも彼らのタイムを上回れないのを見て、私は、「西尾がポールを取るな」と思った。オートポリスでSSをしたときの鬼気迫る走りが再現できれば、それは可能なはずだ。

  しかし、なんと西尾は第一コーナーでスピンしてしまったらしい。私は最終コーナーのところにいたのでスピンは見ていなかったが、最終コーナー立ち上がりからの加速は明らかに菱井や西原よりも悪かった。しかも、第一コーナー進入のブレーキングもかなり早かった。それなのに第一コーナーでスピンしたとは・・・。結局、西尾は43秒1xxで9位、北村は僅差の11位で、その後ろは新井、桜井、三好、小西と、新車を持ち込んだレースドライバー(名前は忘れた)だけ、というていたらく。「くそっ、オモロナーイ」という口癖がついつい出てくる西尾であった。

 11時30分からのトークショーを終えて、いよいよ12時30分からはファンを助手席に乗せてのデモラン。これがこの日の第一の目玉だったらしく、観客はぱっと見て大阪の倍以上の数に膨れ上がっていた。どこに行っても人だらけで全然見えない。見える場所を探してウロウロしている間に、西尾・北村の登場となった。

 今回のデモランは2台一組で、コースを走ってもいいし、パドックの通路を走ってもいいことになっている。観客はホームストレートの両脇にいるので、そこは水を撒いてドーナツをやりやすくしてある。西尾と北村はテールトゥーノーズで最終コーナーを立ち上がり、そのままストレートを全開で通過して第一コーナーに西尾、北村の順で進入した。

 ところが、西尾はブレーキングをがめりすぎてアウトのサンドトラップにまっすぐ飛び出してしまった。それを後ろから見ていた北村の同乗者は、「うわーっ」とびっくり仰天したらしい。さらに、西尾はサンドトラップから出てきて北村のすぐ前に入ったので、北村の目の前に猛烈に小石が飛んで来た。「ひやー、またガラスが割れる!」と北村は焦ったらしいが、西尾はそんなこととはツユ知らず。あとで聞いて、「えっ、そうやったんか」と首をすくめただけ。

 ストレートに戻ってきて、離れてそれぞれドーナツ。ところが、北村はけっこうちゃんと回っているのに、西尾はグリップのいい(それまで何台もがそこでドーナツをしたので路面が乾いてきている)場所でてこずっていた。しかし、ストレートの端のほうによくすべる場所を見つけて、そこでクルクルクルクル。同乗の人たちは感想を聞かれて、「すごかった!」と大満足の様子。何はともあれ、喜んでもらえてよかったよかった。

 デモランが終わると、新井とバーンズのトークショー。これが第二の目玉だったらしく、ステージの前は黒山の人だかり。抽選でスバルワールドラリーチームのジャケットが当たった人が前に出てくると、バーンズが自ら「ジャケットにサインしてあげよう」と言い出したので、その人は感謝感激。バーンズの同乗走行が当たった人などは、感激のあまり心ここにあらず、といった風情で、司会者の質問にもほとんど反応していなかった。

 そしてバーンズと新井のWRカーでのデモラン。なんとバーンズは最終コーナーでタイヤスモークをあげて大ドリフトし、しかもライン取りまでぴったりと決めてきた。「うまいなー」と西尾もため息をついたが、しかし、ラリータイヤを履いていたということを後で聞いて、少々拍子抜け。「ラリータイヤやったらオレでもあんなぐらいできるわい」と西尾。同感です。(もちろん、できない人もいっぱいいらっしゃいます。)

 さて、3時からいよいよ決勝。ところが、これはこの日の目玉ではなかったらしく、お客さんはゾロゾロと帰り始めた。駐車場になっていたオーバルのコースをクルマが次々と去っていく一方、その内側のコースで決勝が行われた。7周だけのミニレース。予選9位の西尾がどこまで上がるか期待されたのだが、なんとスタート時にターボホースが切れてしまい、1周もせずにリタイヤ。いっぽう、北村の秘策がついにここでベールを脱いだ。なんと、最後尾にまわってサンドトラップをドリドリで走るという暴挙に出たのだ。お客さんは大喜び。やっぱり、ダートドライバーはこうでないと。

 レースのほうは、菱井と西原が他をぶっちぎって激しいバトルを展開したが、結局菱井がポールトゥフィニッシュで大阪に続いて2連勝。今年はチャンピオンも獲ったし、乗りに乗ってるという感じ。ま、誰にとってもこういう年はあるでしょう。

 来年は、予選は普通のレースみたいにやってほしいな。せっかく発信機をつけてるんだから。1台ずつ1周よりも、そのほうが見る側にとっても面白いと思うけど。そうすればきっと西尾のモクロミどおりになる、と思うのは、当の西尾と私だけでしょうか?