NISHIO GARAGE


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2000  Vol. 18


全日本ラリー選手権四駆部門第10戦 MCSCラリーハイランドマスターズ

 

西尾がSS1を制すもあっけない幕切れ

マシンを完璧に仕上げて臨んだ一戦だったが、不測のトラブルで万事休す

 

 

レポート:コドライバー山口顕子

 第9戦キロロトラバースで圧倒的な速さを見せつけた西尾雄次郎インプレッサ。その好調さはここでも続いていた。

 岐阜県高山市の南隣・宮村のモンデウススキー場をスタートしたラリー車 は、SS1のある丹生川村へ向かう。オープニングは恒例の深谷ダムの周囲を まわる約1.3kmのギャラリーステージ。いつもここでは観客に最高の走 を見せようと張り切りすぎて失敗してしまう西尾だが、今回は、そんなことよりもラリー全体での勝負を最初から念頭に置いていた。

 SS1を前にして奴田原、綾部などライバルたちがスペアタイヤを降ろして軽量化するのに、西尾は「スペアは2本とも積んだままでいい」と私に指示する。スペアタイヤは1本20kgほどもある。これを2本積んだ状態と、積まない状態では、クルマの操縦性がかなりちがう。軽量化してSS1で1秒や2秒勝つよりも、10km以上あるSS2で最初からベストの走りができるよ うに、SS1からその操縦性に慣れておきたい、という狙いがあった。

 それにも関わらず、フタを開けてみれば、SS1は西尾が単独ベストの1分16秒。奴田原は17秒、綾部は18秒と出遅れた。タイヤ2本のハンデを背負ってこのタイムなら、今回も前戦の再現はまちがいない、と思われたのだが・・・。

 SS2はこのラリー最初の勝負どころとなる10.66kmのロングステー ジ。西尾は序盤はSS1と同様、好調に飛ばしていた。しかし中盤になってノーズが入りづらく運転しにくい、と感じ始めた。「この岩盤路面ではウェット状態でも195サイズのタイヤではダメなのか」と思い始めたこ ろ、エンジンの水温も上昇していることに気づいた。このまま水温が上がればECUの制御が働いて大幅にパワーダウンする。西尾は回転計を見ながら慎重にアクセルを操作し、SSを走りながらエンジンをクールダウンさせることに成功した。 いっぽう、残念ながら北村は、このSSでオーバーヒートのためリタイヤ。ラリーにおける経験の差が如実に現れたと言えそうだ。

 タイムは9分28秒で奴田原に9秒も負けていたが、10km以上もあるSSで中盤からあのような運転を強いられては仕方がない。しかし、ここから先はオーバーヒートの心配もタイヤがタレる心配もない。今日の調子であれば逆転はじゅうぶん可能、とSS3を意気込んでスタートした。しかし、進入は完璧と思えた第1コーナーで、クルマは大きくフラついた。「何かがおかし い。」

 次のいくつかのコーナーはまともに回れたようだったが、その先でまたもや挙動が乱れた。そしてさらにその先のS字の後半の右コーナーで、いきなりテールが出てスピンし、コースわきの細い柵をなぎ倒して止まった。四駆であれば難なくコースに戻れるはずが、前輪の駆動がまったくないためアクセルをふかしてもクルマはびくとも動かず、ここでリタイヤすることになった。

 おそらく、SS2中盤からデフに異常が生じており、SS3スタート後数百メートルで完全に破損したと考えられた。万全の体制で臨み、ドライバーも好調を維持していただけに、無念さがつのる結果となってしまった。


 

Cクラス競技結果(出走29台、完走17台)

順位 クルー 車両 タイヤ 総減点(秒)
1位 奴田原文雄/小田切順之 ランサー YH 3863
2位 田口幸宏/田口雅生 ランサー YH 3898
3位 綾部美津雄/市野諮 インプレッサ DL 3902
4位 増村淳/福村幸則 ランサー YH 4002
5位 松井孝夫/遠藤彰 ランサー YH 4003
6位 石田正史/秋田憲吾 ランサー DL 4007

 

Date  2000年19月21〜22日
Place  岐阜県宮村・モンデウススキー場スタート&フィニッシュ
Data  SS総距離 70.54km