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2000  Vol. 16


全日本ラリー選手権四駆部門第9戦 Kiroro Traverse Kamuimindara Rally in Akaigawa

 

北村、全日本ラリーで初の表彰台

〜西尾は前半トップを独走するも、パンクが車両トラブルを誘発し無念のリタイヤ〜

 

 

レポート: コドライバー山口顕子

 昨シーズンと比べて100kg以上も軽量化したクルマのダート用セッティ ングが思ったように進まず、第7戦ノースアタックが終わったときには苦悩の淵に沈んでいた西尾雄次郎。このホームページにも書いているように、セッティングの重要性を痛感した。アクセルをできるだけ長く踏んでいら れる足を作るべく、その後の2か月間に何度もテストを重ね、ほぼ満足のできるセットアップになったという。こうして迎えた第9戦、果たして結果はどう出るか?

 結論として、その努力の方向は正しかったと言える。キロロリゾートの中心、ホテルピアノの裏山を登る9.03kmのSS1で、いきなり2位・綾部美津雄に5秒差をつけるベストタイム。その後もダントツのベストタイムを連発し、SS8を終えた時点で2位綾部と29秒差、 3位奴田原とは43秒もの差を築いていた。

 こんなことは最近珍しい。先頭走者で、SS1からぶっちぎり。その後、一度も2位をあけわたすことなく、ぶっちぎりでトップをひた走る。今日の西尾は手がつけられない、もう優勝はまちがいない、と誰もが思ったにちがいない。ところが、思いがけない出来事がこの先に待っていた。

 SS9をスタートして数百メートルでコース脇の石を踏み左前輪がパンク。 しばらく走ると負担の増えた右前輪のドライブシャフトが折れ、さらに数百メートルで両後輪のシャフトも折れてしまった。パンクでリム落ちした一輪にしか駆動がかからないインプレッサは、急勾配にさしかかるとまったく前に進ま ず、コース上で止まってしまった。

 

 SS10は日没のためキャンセルされる可能性が高く、そうなればSS9さえ終えればサービスでクルマを修復できる。なんとしてでも帰りたかったが、クルマは どうしても坂を上らず(というより動かない)、ここでリタイヤとなってしまった。

 いっぽう、今回でラリー出場6戦目となる北村和浩は、ペースノート走行にもかなり慣れてきたようだ。スタート早々から西尾、綾部に次ぐタイムでまとめ、序盤は奴田原よりも上の3位につける。しかし、セクション1後半から生じていた排気管のクラックが、セクション2に入ってさらに広がってきた。パワーの出ないインプレッサで北村は苦戦。奴田原、田口に抜かれて5位まで順位を落としてしまった。

 セクション2終了後のサービスで排気管を完全に修復して反撃開始。翌日のセクション3はオープニングのロングSSで2位綾部に9秒もの差をつけるぶっちぎりベストタイム。しかし綾部、奴田原もさすがにこれ以上はつけ入るスキを与えない。 差は縮まるどころか、北村は霧に包まれたギャラリーステージで手痛いコースアウトを喫し、後輪が横を向いてしまうという大ピンチ。それでもなんとか3位を守り抜き、全日本ラリーでは初の表彰台を手にいれた。


  あれだけぶっちぎっていたのにあっけなくリタイヤしてしまった西尾/山口には、敵味方問わず「ほんとに残念でしたね」と惜しむ言葉がかけられた。しかし、勝利には結びつかなかったものの確実な手応えを得た西尾は、すこぶる上機嫌。もちろん、優勝できたはずだったのにそれを逃し、 「もったいない」という気はある。それでも、「あれだけ速く走れたことは、 ドライバーとしてもチューナーとしても大きな自信になった」と表情は明るい。そのうえ、「このクルマはまだまだ速くなる」と早くも次の戦いが楽しみでならない様子。

 いっぽう、さすがダートラチャンプというべきか、北村はあくまでも上を見ている。3位のタイムにも満足せず、「西尾カントクみたいなタイムを出そうとしたら、オレなら きっと落ちてしまう。いったいどうしたらあんなに速く走れるんやろう?」と真剣に悩むので、「クルマが全然ちがうから」と カントクは一生懸命なだめすかしていた。実際、北村のラリー車は、本職のダートラ車ほどきっちり仕上げられてはおらず、塗装はハゲハゲでリヤウィングもついていない。「こんなボロいクルマが (3位になって)雑誌に載るのはマズイなあ」と西尾カントクも嬉しい反面、ちょっと困惑気味。

 全日本ラリー第10戦は10月21-22日。北村はきっと「出たい」と言うにちがいない。西尾カントク、またまた忙しくなりそうです。




 

Cクラス競技結果(出走22台、完走19台)

順位 クルー 車両 タイヤ 合計タイム
1位 綾部美津雄/市野諮 インプレッサ DL 1:21:24
2位 奴田原文雄/小田切順之 ランサー YH 1:21:39
3位 北村和浩/晝田満彦 インプレッサ FK 1:22:10
4位 小西重幸/中原祥雅 インプレッサ YH 1:24:05
5位 大庭誠介/斎藤哲史 ランサー YH 1:24:22
6位 柳沢宏至/星野元 インプレッサ YH 1:24:47

 

Date  2000年9月9日〜10日
Place  北海道赤井川村・ヤマハキロロリゾートをスタート&ゴール
Data  SS総距離 104.92km(一部キャンセル)